古くから採暖と呼ばれる暖房方式があります。これは、「火鉢」や「囲炉裏」に始まり、現代のストーブの原点となっています。
北国を中心に、かつては薪や石炭を燃料にしていたストーブも、燃料のコスト・安全性・環境性の観点から、格段に進歩を遂げてきました。

実はストーブと一口に言っても、その種類は多種多様。寒さの強い味方!安全性・快適性に特化した『FF式ストーブ』とはどんなもの?
技術1課のS先輩に聞きました!

今回のアドバイザー :S先輩
この給排気方法が“FF式”と呼ばれるんですね!
強制給排気ってどんなしくみなんですか?
強制給排気(=Forced Draught Balanced Flue)とは燃焼用の空気を室外から強制的に取り入れ、排気は給排気筒を通して室外に出す方式です。

灯油の燃焼に伴う室内の結露の心配がなく、
使用時に定期的な換気が必要ありません。
換気による室温の低下がなく、安定した室温で快適性が向上します。
FF式のストーブが
ファンヒーターよりも
価格が高いのはどうして?
FF式ストーブは多くの部品から構成されています。
価格は高くなりますが、
安全性・快適性・経済性に優れ、住宅にも人にも優しい暖房機です。
-
不完全燃焼防止装置
酸素濃度の低下などの理由で、不完全燃焼となる場合に燃焼を停止させる機能です。
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安心ロック
従来の灯油閉止機能に加え、電気で制御する閉止弁を搭載。運転停止時には確実に灯油の流れを止める閉鎖弁機構です。
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過熱防止装置
機器内部の過熱を検知し、
燃焼を停止させます。 -
排気管抜け検知センサー
燃焼前に、排気管がしっかり接続されているかを確認するしくみです。
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室温サーミスタ
室温を検知し、設定温度に合わせて
火力を調節します。各種エコモードとの併用で、お部屋の温めすぎを防ぎ、
適切な温度管理を行います。
※UFH-G7040SX Qの場合
ストーブをつけると換気をしなければならず、
特に冬はせっかく暖まった部屋に冷たい風が入り、
無駄が多い気がします。
FF式ストーブは燃焼用の空気を外気から給気、外気へ排気を行うので、室内の
空気をクリーンに保つため、ファンヒーターとは異なり、定期的な換気は必要ありません。
特に高性能住宅は、自然換気回数が少ないのでより安心してお使いいただけます。


高性能エアコンや、寒冷地エアコンなど性能の良い
エアコンがたくさん出ていますが、ストーブ暖房の
メリットはどんなことですか?
暖房で得られる快適性は『人間の熱的快適性に影響を与える6要素』で決まります。
FF式ふく射ストーブは、遠赤外線のふく射効果でストーブからの暖かさが床面や
壁面などにも伝わり、部屋全体から暖かさを感じることができます。
エアコンだけの暖房の場合…
上方からの温風だけでは、暖かさが部屋全体には届きにくく、強運転時の温風で室内のホコリが舞いやすくなります。


エネルギー | 暖め方 | 音 | 安全性 | 移動 | パワフル | におい | 室温調整 | 設置 ・コスト | ランニング コスト | |
FF式石油 暖房機 | 灯油 (電気) | 対流・ 幅射熱 | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
ファン ヒーター | 灯油 (電気) | 対流 | ◯ | △ | ◎ | ◯ | × | △ | ◎ | ◯ |
エアコン | 電気 | 対流 | △ | ◎ | × | ◯ | ◎ | ◯ | △ | △ |
エネルギー | 暖め方 | 音 | 安全性 | |
FF式石油 暖房機 | 灯油 (電気) | 対流・ 幅射熱 | ◎ | ◎ |
ファン ヒーター | 灯油 (電気) | 対流 | ◯ | △ |
エアコン | 電気 | 対流 | △ | ◎ |
移動 | パワフル | におい | 室温調整 | |
FF式石油 暖房機 | × | ◎ | ◯ | ◯ |
ファン ヒーター | ◎ | ◯ | × | △ |
エアコン | × | ◯ | ◎ | ◯ |
設置 ・ コスト | ランニング コスト | |
FF式石油 暖房機 | ◯ | ◎ |
ファン ヒーター | ◎ | ◯ |
エアコン | △ | △ |
FF式ふく射ストーブは据え置き型なので移動ができませんが、スリムな薄型設計でお部屋で場所をとりません。また、速暖性が高く、パワフルな暖房が特徴。光熱費効率性も高く、外気温度がマイナスになる寒冷地でも効率を落とすことなく運転できます。
燃焼機器だからこそ備えられた様々な安全面の工夫で、
一般住宅から学校などの公共施設まで幅広く利用されている
暖房機なんですね!

