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- (Blue star vol.11掲載)
地下水を活用した融雪システムが“キラリ”
北海道戸建住宅/集合住宅
雪と暮らす積雪地域の知恵
“融雪”&“採熱”に地下水をダブル活用
夏は30℃を超す日もあるものの、平均して20℃台と過ごしやすい北海道札幌市。冬は曇りがちで、最低気温は-10℃以下になる日も多い。
降雪期間は10月下旬から4月上旬までで、1日の積雪深が1mを超すことも。約200万人の人口を抱える大都市で、これだけの積雪がある都市は珍しく、日常生活を維持するための排雪対策が重要となっている。
Data建物規模・システム概要
- 構造
- ロードヒーティング(駐車場)
- 延床面積
- 120.78m²
- ヒートポンプ
- GSHP-1001(10kW)×3台
- 採熱方式
- 地下水熱交換方式/融雪槽貯水式
取水用井戸50m - 放熱器
- 建物構造
- 木造2階建
- 融雪面積
- 330m²
- ヒートポンプ
- GSHP-1001(10kW)×1台
- 採熱方式
- 地下水熱交換方式/融雪槽貯水式
取水用井戸50m - 放熱器
- 床暖房6畳
パネルヒーター10台
Flow chartフロー図
取水井戸より汲み上げた地下水を槽内に貯め、地中熱ヒートポンプの採熱側熱交換器とすることで、厳寒期でも約10℃の地下水から地中熱を採熱できます。槽内に貯めた地下水温度で揚水ポンプの動作を制御(槽内の温度低下を感知して、地下水を取水)するため、一次側ポンプの省エネ化を図ることができ、システムの高効率化が期待できます。
投げ込み融雪に利用されてきた融雪槽を活用することで、この1つのシステムで地下水を「融雪」と「採熱」の2つに活用できるのが特長です。従来のボアホール方式を用いる地中熱ヒートポンプシステムに比べ、イニシャルコストを安価に抑え、高効率で運用できるシステムです。
Owners voiceオーナーズボイス
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システム開発
正和住設株式会社 代表取締役高橋様に聞きました!融雪槽で雪を溶かすだけでなく、暖房・融雪でも力を発揮する地下水のダブル利用は、積雪の多い都市部ではランニングコストを抑えられる画期的なシステムです。すでに導入されているお客様の満足度も高いことがうかがえます。このシステムの認知度を高め、寒冷地の厳しい冬も快適に過ごせる暮らしを広めていきたいと思います。
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ご使用者様に聞きました!
北海道の冬は雪との戦い。除雪のために、毎日労力とお金がかかり、冬場は家から出るのもひと苦労。そこで活躍するのが融雪槽です。地下水を満たしているので、槽内に雪を落とすだけで、どんどん雪が解けていきます。とてもラクで溶ける様子も面白いため、雪を取り合いした…なんていう笑い話も耳にします。
Operating data運転データ
2017年度12月~2月までの冬季シーズン運転状況。
330㎡の融雪エリアをGSHP-1001(10kW出力)×3系統で融雪しています。消費電力・採熱量・出力は3系統の合計、融雪往き・戻り温度は3系統の平均を示しています。